漢方薬によるアトピー性皮膚炎治療薬研究変遷史



漢方薬でアトピー性皮膚炎を治す時のステロイド使用の是非について

 この時代になってもステロイド軟膏を毛嫌いし、忌み嫌って絶対に使用したくないという若いご両親が多い。大事な子供さんが全身のアトピー性皮膚炎で常に痒がっていても、である。

 恐れた理由は、以前、皮膚科で出される通りに漫然と塗り続けて、治ったと思った時点で中止していたところ、猛烈なリバウンドに見舞われ、噂に違わず本当に恐ろしい薬だと深く認識するに到ったというケースが最も多いようだ。

 明らかに医師のきめ細かい指導が不足していたか、あるいはご両親が医師の指導を守らなかったかのいずれかであろう。

 ステロイド軟膏の正しい使用方法は、金沢大学の竹原和彦教授らの研究により、すでにかなり確立している。

 また、漢方と漢方薬関係の医師(江部康二氏)の研究でも、同様の結論が出されている。

 漢方の領域でも、アトピー性皮膚炎の御相談はかなり多い現状から、専門家の間でも明らかな優劣はあるものの、アトピーを得意とするところでは、ほぼ全員を副作用を出すことなく完全緩解に近い状態に導いている現実を知らない人も多いだろう。

 それにはやはり一工夫があって当然で、他の医療機関における治療や他所の漢方治療によって治癒せず、更に悪化した状態で来られた当初は、適切な漢方薬類とともに必要最小限のステロイド軟膏を適切に使用することによって、早期に緩解状態に導くことを可能にするのである。